n8nとMakeは、どちらもアプリ同士をつないで作業を自動化するツールです。画面上で部品を並べて流れを作る点は似ていますが、料金の数え方と、自分のサーバーで動かせるかどうかが大きく違います。この記事は、ノーコードの自動化ツールを初めて選ぶ日本の個人や副業ユーザー向けです。料金体系、セルフホスト、日本語対応、AIエージェント機能、向いている人の順に比べます。
結論:手軽さならMake、柔軟さとセルフホストならn8n
目的別のおすすめは次のとおりです。
- まず無料で試したい人:Make。無料プランで月1,000クレジットを期間制限なく使えます。
- 自分のサーバーで動かしたい人:n8n。無料のCommunity Editionをセルフホストできます。
- 手順の多いワークフローを組む人:n8n。1回の実行は、ステップ数に関係なく1回と数えます。
- コードを書かずに手早く連携したい人:Make。モジュールを画面上でつなぐ形で自動化を作れます。
- カード以外の支払い方法も使いたい人:Make。クレジットカードのほか、Google Payに対応しています。
どちらも公式サイトは英語のみです。日本語の画面やサポートを重視する場合は、どちらを選んでも英語に慣れる必要があります。
比較表
選び方のポイント
自動化ツールは、使い始めてから「思ったより料金がかかる」「解約の仕方がわからない」となりがちです。ここでは、日本の個人ユーザーが特に気にしたい4つの点を比べます。
料金の数え方:実行回数かクレジットか
いちばん大きな違いは、何に対してお金を払うかです。n8nは「実行回数」、Makeは「クレジット」で使える量が決まります。
項目 | n8n(クラウド版) | Make |
|---|---|---|
数える単位 | ワークフローの実行回数 | モジュールの実行ごとに消費するクレジット |
1回の数え方 | ワークフロー全体の1回の実行で1回 | 多くの操作は1回で1クレジット |
増える要因 | 実行する回数 | ステップの数、AI機能の利用 |
上限に達したとき | プランの上限に従う | クレジットが尽きるとシナリオが停止 |
n8nの料金ページでは、実行(execution)は「ワークフロー全体の1回の実行」と説明されています。ステップ数やデータ量が多くても、1回は1回です。そのため、手順の多いワークフローでも費用を見積もりやすいのが特徴です。
Makeでは、シナリオ(自動化の流れ)の中の各モジュールが動くたびにクレジットを消費します。料金ページによると、多くの操作は1クレジットです。ただし、MakeのAI機能を使う一部の高度な操作は、それより多くのクレジットを消費する場合があります。ステップが多いシナリオを頻繁に動かすと、消費が早くなる点に注意が必要です。
セルフホストの可否
セルフホストとは、ツールを自分で用意したサーバーで動かすことです。n8nはこれができ、Makeは公式サイトのクラウドサービスとして使います。
n8nの公式ドキュメントでは、ライセンスキーなしで使う場合は無料のCommunity Editionになると説明されています。自社の設備やプライベートクラウドなど、自分で用意した環境に入れて使えます。インストールにはDocker(アプリを箱に入れて動かす仕組み)などが必要で、サーバー運用の知識が求められます。
日本語対応と支払い方法
日本語対応は、どちらも同じ条件です。公式サイトと料金ページは英語で、日本語のページは確認できませんでした。
支払い方法は差があります。Makeはクレジットカード、Google Payに対応しています(米国の銀行口座からの引き落としにも対応していますが、日本からは通常使いません)。n8nの支払い方法は、料金ページで確認できなかったため、公式サイトで要確認です。また、n8nはユーロ建て、Makeは米ドル建てで表示されています。日本のカードで払う場合、カード会社の海外事務手数料がかかることがあります。
無料プランと解約
無料で始めやすいのはMakeです。無料プランは月1,000クレジット、データストア1つ(1MB)で、期間の制限はありません。
n8nのクラウド版には無料プランがなく、クレジットカード不要の無料トライアルがあります。トライアルでは1,000回の実行、同時実行5などの制限があります。トライアルの日数は料金ページに書かれていません。
解約の扱いは、Makeは料金ページに説明があります。解約しても請求期間の終わりまでは有料プランを使え、その後は無料プランに移ります。n8nの解約の流れは、料金ページでは確認できませんでした。
n8n:技術に慣れていて柔軟に組みたい人向け
n8nは、ノード(処理の部品)を組み合わせてワークフローを作る自動化ツールです。クラウド版のほか、Community Editionを自分のサーバーで動かせます。技術に慣れた個人が、細かく自由に自動化を組みたい場合に向いています。
料金
クラウド版の料金は、年払いの場合で次のとおりです。月払いの価格と米ドルの価格は、料金ページに記載がありません。
プラン | 料金(年払い) | 主な内容 |
|---|---|---|
Starter | 月額 €20(年払い・初回 €240) | 月2,500回実行、同時実行5、共有プロジェクト1つ |
Pro | 月額 €50(年払い・初回 €600) | 月10,000回実行、同時実行最大50、管理者ロール |
Business | 月額 €667(年払い・初回 €8,004) | 月40,000回実行、SSO、Git連携、複数環境 |
Starterには、AIアシスタント用のクレジットが月1,600含まれます。使わなかったクレジットは翌月に繰り越されません。
AIエージェント機能
料金ページでは、AIエージェント関連の機能がすべてのプランに含まれると表示されています。主なものは次のとおりです。
- AI Agentノード、AIステップ、Agents(プレビュー版)
- MCP(AIと外部ツールをつなぐ共通の仕組み)のサーバー・クライアント機能
- AIがツールを使う前に人が承認する機能、チャット画面の埋め込み
セルフホストの場合は、自分で用意したAIサービスのAPIキーを使う形になり、AIアシスタント用クレジットの上限はありません。
注意点
セルフホストは無料で始められますが、サーバーの準備やセキュリティ対策、アップデートは自分で行う必要があります。英語の資料を読みながら作業できるかどうかが、判断の分かれ目です。迷う場合は、まずクラウド版のトライアルで操作感を確かめる方法があります。
Make:コードを書かずに手早く連携したい人向け
Makeは旧Integromatで、アプリをモジュールとして画面上でつなぎ、シナリオを作る自動化ツールです。コードを書かずに、Webサービス同士の連携を組めます。無料プランがあるため、個人や小規模チームが試しやすいツールです。
料金
プランはFree・Core・Pro・Teamsがあります。Freeは無料で、月1,000クレジットを使えます。年払い・月10,000クレジットの場合の料金は次のとおりです。クレジット数を増やすと料金も上がります。
プラン | 料金(年払い・月10,000クレジット) |
|---|---|
Core | 月額 $9(年払い・初回 $108) |
Pro | 月額 $16(年払い・初回 $192) |
Teams | 月額 $29(年払い・初回 $348) |
料金ページによると、年払いは月払いより安くなります。クレジットが足りないときは、1,000または10,000単位で追加購入できます。追加分の有効期限は、月払いでは1か月、年払いのProとTeamsでは年度末までです。Core・Pro・Teamsでは、10,000クレジットの自動購入も設定できます。
AIエージェント機能
公式ページの説明では、AIエージェントはすべてのプランで使えます。エージェントは状況に応じて次の行動を選び、Makeのシナリオを動かせます。判断の過程は画面上のパネルで1つずつ確認できます。人による承認を挟んだり、特定の地点で止めたりする設定も可能です。
AIエージェントがどれだけクレジットを消費するかは、公式ページに具体的な数字がありません。AI機能は1回で複数クレジットを使う場合があるため、使い始めは消費量をこまめに確認すると安心です。
注意点
クレジットが尽きると、追加するまでシナリオは止まります。業務で使う場合は、自動購入の設定や残量の確認を習慣にしておくとよいでしょう。日本語のページはないため、設定画面やヘルプは英語で読むことになります。
よくある質問
n8nとMakeはどちらが安い?
使い方によって変わります。n8nはワークフロー1回の実行を1回と数えるため、ステップが多い処理ほど有利になりやすい仕組みです。Makeはモジュールごとにクレジットを消費しますが、無料プランで月1,000クレジットを使えます。Makeの有料プランの最安は月額 $9〜(Core・年払い)です(月10,000クレジットの場合)。
n8nは無料で使える?
公式ドキュメントでは、ライセンスキーなしでセルフホストする場合は無料のCommunity Editionになると説明されています。クラウド版には無料プランがなく、クレジットカード不要のトライアルがあります。
日本語で使える?
どちらも公式サイトと料金ページは英語で、日本語のページは確認できませんでした。ブラウザの翻訳機能を使って読む方法はありますが、画面上の表記は英語のままです。
解約するとデータや設定はどうなる?
Makeは、解約後も請求期間の終わりまでは有料プランを使え、その後は無料プランに移ります。n8nの解約後の扱いは料金ページで確認できなかったため、公式サイトで要確認です。
まとめ
n8nとMakeは、料金の数え方とセルフホストの可否で選ぶのが近道です。
- 無料で気軽に試したい:Make
- コードを書かずに手早く連携したい:Make
- 自分のサーバーで動かしたい:n8n
- 手順の多いワークフローを費用を読みながら動かしたい:n8n
どちらも英語のサービスで、料金は外貨建てです。まずはMakeの無料プランかn8nのトライアルで操作感を確かめてから、有料プランを検討してください。