この記事は、英語の論文やレポートを書く大学院生・研究者・学生向けです。論文向けのAIツールとして、英文校正のPaperpalと学術検索のConsensusを比べます。2つは「どちらか一方を選ぶ」ツールではなく、論文を書く工程のうち担当する場面が違います。それぞれの役割と、料金・日本語対応・支払い方法の違いを公式サイトの記載をもとに整理します。
結論:書く・直すならPaperpal、調べるならConsensus
- 英語の論文を学術的な表現に整えたい:Paperpal。文法・一貫性チェックや学術的なトーンへのリライトが中心です。
- 主張の根拠になる論文をすばやく探したい:Consensus。査読付き論文を検索し、AIが引用付きで回答します。
- 日本語の画面と日本円の支払いがよい:Paperpal。日本向けサイトがあり、公費の後払いにも対応します。
- 剽窃チェックや投稿前チェックまでしたい:Paperpal。有料プランで剽窃チェックとAI検出を使えます。
- 先行研究の調査から執筆まで通して効率化したい:Consensusで文献を探し、Paperpalで英文を整える組み合わせが考えられます。
比較表
項目 | Paperpal | Consensus |
|---|---|---|
主な役割 | 英文校正・リライト・投稿前チェック | 論文検索・根拠のある回答 |
無料プラン | あり(文法チェック月200回など) | あり(Pro message月10回など) |
有料の最安 | 月額 ¥2,090〜(プライム・年払い) | 月額 $12〜(Pro・年払い) |
料金の通貨 | 日本円 | 米ドル |
画面の日本語 | 日本向けサイトあり | 英語のみ(回答の言語は変更可) |
使える場所 | Web、MS Word、Google Docs、Overleaf | Web |
公費・後払い | 対応(見積書・請求書を発行) | 公式サイトで要確認 |
学割 | 料金ページに項目あり(条件は要確認) | 学生・教職員の割引あり |
返金・保証 | 初回購入のみ返金対象。月払いは購入から7日以内、年払いは30日以内の申請で返金。更新分は対象外。 | 返金は月払いが購入から72時間以内、年払いが5日以内に申請できる。EU居住者は購入から14日以内の解約で返金対象。 |
キャンペーン | 感謝セール実施中(年間プラン) | なし |
選び方のポイント
論文作業のどの段階に使うか
論文を書く作業は、大きく「調べる」「書く」「直す」に分けられます。Consensusが得意なのは「調べる」段階です。研究テーマについて質問すると、4億件以上の査読付き論文から関連する研究を探し、引用付きで答えます。
Paperpalは「書く」「直す」段階のツールです。書いた英文の文法や表現をチェックし、学術論文らしいトーンに書き換える提案をします。リサーチQ&A機能もありますが、中心は英文の品質を上げることです。
日本語対応
Paperpalは日本向けサイトがあり、日本語で料金や機能を確認できます。日本語でのサポートにも対応しています。英語が得意でない人でも、契約や設定でつまずきにくいでしょう。
Consensusの画面は英語のみです。ただし、公式ヘルプによると、設定の言語メニューで回答・要約・要点の言語を変更できます。日本語で質問したときの検索精度は公式に明記されていないため、無料プランで試してから判断してください。
支払い方法と公費
Paperpalは日本円で支払え、クレジットカードまたはデビットカードに対応しています。公費で払う場合は後払いを選ぶと、見積書・請求書・納品書が発行されます。研究費で購入したい人には大きな利点です。
Consensusは米ドル建てで、支払いはクレジットカードです。円での請求ではないため、為替レートで請求額が変わります。公費での購入方法は公式サイトで確認できませんでした。所属機関の経理ルールを先に確認しておくと安心です。
無料プランと解約
どちらも無料プランがあり、登録してすぐに試せます。Paperpalの無料プランはクレジットカードの登録が不要です。Consensusは解約後も、請求期間の終了までは有料機能を使えます。
返金については、Paperpalは返金保証がありますが条件は公式で要確認です。Consensusは公式ヘルプに月払い・年払いそれぞれの返金申請期限が書かれています。海外サービスの解約手順の全般は「海外SaaSの支払い・解約ガイド」も参考にしてください。
Paperpal:英語論文の表現を整えたい人向け
Paperpalは、学術論文の執筆に特化したAI英文校正ツールです。文法・一貫性のチェック、学術的なトーンへのリライト、先行研究に基づくリサーチQ&A、剽窃チェック、AI検出、投稿前チェックを使えます。公式の説明では、引用・数式・専門用語を崩さずに校正できるとしています。
Web版のほか、MS Wordアドイン、Google DocsやOverleaf向けの拡張機能があります。普段の執筆環境の中でそのまま使えるのが便利な点です。
料金は年払いの場合、次のとおりです。月払いも選べますが、年払いのほうが割安です。ほかに一括払いの複数年プランもあります。
- プライム(文法・一貫性チェック月20,000回、剽窃チェック月10,000語):月額 ¥2,090(年払い・初回 ¥25,080・月払いなら月額 ¥4,290)
- プロ(文法チェック・リライト・リサーチなどが無制限):月額 ¥5,060(年払い・初回 ¥60,720・月払いなら月額 ¥10,340)
無料プランでは、文法チェック月200回、パラフレーズや翻訳が1日5回、リサーチQ&Aが1日5回などを試せます。
注意点は、論文以外の一般的な文章には機能が多すぎることです。メールやブログの英文を直したいだけなら、より汎用のツールのほうが合う場合もあります。
Consensus:根拠のある論文をすばやく探したい人向け
Consensusは、4億件以上の査読付き論文を検索し、AIが根拠となる研究を引用しながら回答する学術検索エンジンです。「この治療法は効果があるか」のような質問をすると、関連する研究を示しながら答えます。複数の研究をまとめて調べる「Deep review」や、論文同士の引用関係を見る引用グラフも備えています。
料金は年払いの場合、次のとおりです。月払いも選べます。
- Pro(Pro message無制限、Deep review月15回):月額 $12(年払い・初回 $144・月払いなら月額 $20)
- Deep(Deep review月200回、API・MCP月2,000回):月額 $45(年払い・初回 $540・月払いなら月額 $65)
有効な学校のメールアドレスを持つ学生・教職員は割引を受けられます。無料プランでも基本の論文検索、Pro message月10回、Deep review月3回まで使えます。
注意点は、画面が英語のみであることです。料金も米ドル建てです。また、AIの回答は論文の要点をまとめたものなので、論文に引用する前には元の論文を自分で読んで確認する必要があります。
よくある質問
PaperpalとConsensusは両方必要ですか?
役割が違うので、作業量によっては両方使う価値があります。文献調査が多い時期はConsensus、執筆・投稿の時期はPaperpalと、使う時期をずらすのも一つの方法です。まずは両方の無料プランで、自分の作業に合うかを試してください。
AIで校正した論文を投稿しても大丈夫ですか?
AIツールの利用ルールは、学会誌や大学によって異なります。投稿先の投稿規定や所属機関のガイドラインで、AIの利用と開示の扱いを確認してください。Paperpalには投稿前チェック機能がありますが、規定の確認は自分で行う必要があります。
日本語の論文にも使えますか?
Paperpalは英語論文の校正が中心です。Consensusは回答・要約の言語を設定で変えられますが、検索対象は主に英語の論文と考えたほうがよいでしょう。日本語で質問したときの精度は公式に明記されていません。
英語のPDF論文を日本語で読みたい場合は?
論文を対訳で読みたいなら、PDFのレイアウトを保って翻訳できるイマーシブトランスレートも選択肢です。詳しくは「AIブラウザ拡張機能の比較」で紹介しています。
まとめ
- 英語論文の文法・表現を整えたい、日本円や公費で払いたい:Paperpal
- 研究テーマの根拠になる論文をすばやく探したい:Consensus
- 調査から執筆まで効率化したい:Consensusで探してPaperpalで直す組み合わせ
どちらも無料プランがあるので、まず自分の論文や研究テーマで試してみてください。各ツールの始め方は、Paperpalの使い方とConsensusの使い方で紹介します。